フードデリバリー配達員はJAFに入るべき?その必要性とコスパを考えてみた

路上で多くの時間仕事をする Uber Eats(ウーバーイーツ)や出前館の配達にJAFは必要なのか?

費用対効果を中心に「どんな人に必要」で「どんな人に必要無いか」を徹底的に考えてみました。

結論、ロードサービスはあった方が良いけどJAFじゃなくでも良いという結論に至りましたので、この結果に至った経緯を詳しく解説していきます。

【この記事を書いた人】Tsukasa(当ブログ管理人)。2018年から Uber Eats(ウーバーイーツ)で配達を開始。半年ほど専業の配達パートナーとして働いた経験をもとに、フードデリバリーアプリ専門ブログ「うばいつ」を開設。これから配達を始める方に役立つ情報発信を心掛けています。その他「儲かる副業」をテーマとした、晋遊舎の人気ムック本「副業完全ガイド」などの記事監修&情報などを行う。プロフィールはこちら

JAF(ジャフ)とは?

JAF(略称:ジャフ)は1963年に設立された、車やバイクの故障やトラブル、うっかりミスの際に現場まで駆けつける「ロードサービス」を提供する法人です。

正式名称は、一般社団法人 日本自動車連盟という名前ですが、自動車だけではなく原付やバイクにもサービスが適用されることはバイク乗りの間では有名なお話ですね。

JAFのロードサービスカーの画像

「JAFってなに?」と言う方でも、JAFのマークやロードサービスカーを見たことがあると言う方は多いのでは?と思いますが、それもそのはずJAFの会員数は2,000万人以上※、世帯数で言うと車を持っている全世帯の約3分の1が加入している計算になります。

※2021年時点

2021年の日経新聞掲載のデータによると、Uber Eats(ウーバーイーツ)のユーザー数※が約400万人程度、出前館が約300万人程度なため、デリバリー最大手2社を合わせてもJAFの会員数には到底及ばないということになります。

※MAU(マンスリーアクティブユーザー)

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フードデリバリー配達員にどんなメリットがある?

JAFのサービスは主に下記の2つがあります。

  1. バイクの車両トラブルや事故の際の「ロードサービス」
  2. さまざまな割引、クーポンが受け取れる「会員優待」

上記2つのサービスを受けることができ、費用は入会金(2,000円)・年会費(4,000円)あわせて6,000円※、月々に換算すると500円となり1件配達すれば報酬でペイできる計算になりますね。

※個人会員で1年間入った場合

ただ、6,000円でどんなメリットがあるのか?ということになりますが、最も大きなメリットとなり得るのが「ロードサービス」です。

メリット① ロードサービス

フードデリバリー配達員が使用する車両は、「シビアコンディション」と言われるものに該当するため、一般的なマイカー用途で使用される車両よりも負担が大きくなりがちです。

シビアコンディションとは?
・悪路・雪道での走行が多い
・走行距離が多い(3,000 km以上/6か月)
・低速走行が多い
・アイドリング状態が多い
など、一般的な使われ方より厳しい状態で車両が使われる場合のことで、部品の劣化が通常よりも著しく進行することがあり、トラブルのリスクが増えます。

※各メーカー別シビアコンディションの説明はこちらHONDAYAMAHASUZUKI

特にトラブルの多い個所としては、

▽よくあるトラブル▽

  1. バッテリーまたはスターター関連部品のトラブル
  2. タイヤの空気圧不足・摩耗によるパンク
  3. ドライブベルトの断裂、または駆動系部品のトラブル

などがあり、上記のトラブルで実際にJAFに駆けつけてもらったというSNS投稿をよく目にします。

こんな時にJAFに入会していれば、JAFアプリの位置情報から現場に無料で駆けつけてもらえるというのが最大のメリットですよね。

かくいう私も、Uber Eats(ウーバーイーツ)のオンライン中に原付のドライブベルトが切れてメチャクチャ焦っていたところをJAFにお世話になった経験があり、その恩恵を受ける一人でもあります。

自身でしっかりメンテナンスしている(またはショップに持ち込んでいる)という場合でも、路上に出れば急な事故はつきもの、入会することで安心感が得られるというのもメリットの一つかもしれません。

燃料切れ

メリット② 会員優待

もう一つのメリットは会員優待で、ガソリンの割引が受けられるため経費削減のメリットが期待できます。

その他にも魅力的な割引が盛りだくさんなため「優待だけで元を取る」こともでき、JAFに加入する理由が「優待目当て」という方がいるくらいなので、人によってはこちらの方が大きなメリットとなる方もいるでしょう。

基本的には実店舗での割引が対象ですが一部オンラインストアでも割引が可能で、代表的な会員優待としては下記のような店舗で割引を受けることができます。

【ショッピング】
・ビックカメラ
・コジマ
・ソフマップ
・エディオン
・三井アウトレットパーク
・グラニフ
・AOKI
・好日山荘
・大塚家具
・オートバックス

【グルメ】
・ピザハット
・ピザーラ
・バーガーキング
・ロッテリア
・すし三崎丸
・上島珈琲
・魚民
・牛角
・ロイヤルホスト
・山岡家

【ガソリンスタンド】
・ENEOS
・出光
・コスモ石油
・昭和シェル
・キグナス石油

【アミューズメント】
・イオンシネマ
・カラオケ館
・カラオケBanBan
・BIG ECHO
・コート・ダジュール
・JOYSOUND

【暮らし】
・アート引越センター
・アリさんマークの引越社
・おそうじ革命
・おそうじ本舗
・靴専科
・Dr. Stretch
・スポーツクラブNAS
・白洋舎
・HAIR&MAKE EARTH(美容室アース)

【宿泊】
・HMIホテルグループ
・大江戸温泉物語グループ
・オークラニッコーホテルズ
・亀の井ホテル
・ダイワロイネットホテルズ
・東急ホテルズ
・ルートインホテルズ
・富士屋ホテルズ&リゾーツ

【旅行】
・HIS
・ANAトラベラーズ
・JALPAK
・アップルワールド
・トヨタレンタカー
・オリックスレンタカー
・グローバルWiFi
・ハーレーダビットソンレンタルバイク
・モトオークレンタルバイク
・レンタル819

【オンライン優待】
・Uber Eats
・Wolt
・OWNDAYS
・JINS
・Zoff
・ショップジャパン
・タワーレコード
・西松屋
・Hulu
・U-NEXT
・Rakuten music
・マツモトキヨシ
・Oisix
・大丸松坂屋オンラインストア

※時期によって一部終了している店舗あり

全国で使える優待のみをピックアップしましたがこれでもごく一部、その地域にしかないお店なんかも多数あるので気になる方は下記からチェックしてください。

JAF会員優待をチェックする

JAFロードサービスのコスパを考える

JAFが提供するサービスを説明してきましたが、入会のメリットが十分にあると思っている方「チョット待ってください」。

肝心のコスパはどうなんだ?という部分が抜けていますよね、ここからは初年度6,000円(入会金・年会費含む※)は高いのか?安いのか?を考えていきたいと思います。

※2年目以降は年会費4,000円のみ

まずはJAFの柱ともいえるロードサービスで、会員が出動を依頼した件数を見てみましょう。

JAF2021年出動件数

画像参照:年間のロードサービス救援件数(2021年)

2021年の合計で出動回数210万件!いやっ、すごい数字ですね。

そして、2021年のJAF会員数が2,000万人以上なので、これを計算すると1人あたりの出動件数は210÷2,000で年間で約0.1回

1年で0.1回なので、10年で1回出動を依頼している計算になり、その1回のために支払い続ける会員費は6,000+(4,000×9)で42,000円、ちなみに非会員の方が出動を要請した場合にかかる費用は内容によりますがおおよそ13,130~16,770円となります。

JAFの料金事例

画像参照:ロードサービス事例

「えっ!会員になる必要ある?」と思う気持ちはすごくわかりますが、ロードサービスだけを取って計算するとめちゃくちゃコスパが悪く見えますよね。

ただ、前途したように配達員が使用する車両はシビアコンディションで、商品を運ぶ用途で車両を使用するためどうしても走行距離が多くなりがちです。

ソニー損保が毎年調査している「全国カーライフ実態調査(2021)」によると、マイカー用途の年間走行距離は平均で6,186km、一方配達員は1件あたり平均で2.7km程度走るため週2日の副業勢でも年間8,000km以上の走行距離になります。

稼働状況配達回数※おおよその走行距離
副業(週1日)30回/週(1,560回/年)4,212km
副業(週2日)60回/週(3,120回/年)8,424km
本業(週5日)150回/週(7,800回/年)21,060km
本業(週6日)180回/週(9,360回/年)25,272km

※1日30回配達すると仮定した場合

走行距離だけでは測りきれませんが週2日以上稼働した場合、車両トラブルのリスクはマイカー用途よりも高いと言え、JAFに入会するメリットは多そう。

ただロードサービス目的での入会は、依然としてコスパが悪いため「2年に1回くらいJAFを呼ぶ」という方であれば非会員よりもお得ですが、めったに呼ばない方にとっては年会費は割高となりそうです。

年数会員(累計)非会員(累計)
1年目6,000円
2年目4,000円(10,000円)13,130円
3年目4,000円(14,000円)
4年目4,000円(18,000円)13,130円(26,260円)
5年目4,000円(22,000円)
6年目4,000円(26,000円)13,130円(39,390円)

燃料切れ

任意保険のロードサービスじゃダメなの?

加入している任意保険にロードサービスが付帯しているなら、ロードサービス目的でのJAF入会のメリットほとんどありません。

保険会社によってはパンク修理が不可、またはスペアタイヤが無いと応急処置ができないなど、JAFにあって保険会社にないサービスもあるため、一概に「JAFは必要無し」とは言えませんが、この例外を除けば任意保険のロードサービスで事足りることが多いでしょう。

前途した配達中によくあるトラブルが、保険付帯のロードサービスでサポートされている場合は入会のメリットは無いと言えるでしょう。

▽よくあるトラブル▽

  1. バッテリーまたはスターター関連部品のトラブル
  2. タイヤの空気圧不足・摩耗によるパンク
  3. ドライブベルトの断裂、または駆動系部品のトラブル

まとめ

ロードサービスを依頼する頻度がどれくらいありそうか?(できれば依頼したくないものですが)という部分が、入会を判断するポイントになりそうですが、これは個々の車両の状態やメンテナンスの頻度によるところが大きいため判断が難しいですよね。

「とりあえず入っとけ!」と言いたいところですが、加入している任意保険のサポート内容や車両購入店でのロードサービスなんかもあるため個々の状況によって判断することとなるでしょう。

個人的には「JAFに入っておいてよかった」という経験があり、優待もけっこう使っているためおすすめできますが、皆さんはどうでしょう?

配達にJAFは必要?のまとめ

結論】
JAFでなくともロードサービスの加入は必要。だけど、すでに何らかのロードサービスに加入している場合はJAF入会のメリットは会員優待のみ。

【JAFのメリット】

・ロードサービス
┗ 配達員が使用する車両はシビアコンディションのため故障リスクが高い ⇒ 無料で駆けつけてくれるメリットは大きい

・会員優待
┗ 高騰中のガソリン代節約、その他の買い物、外食などでもお得がいっぱい ⇒ 人によってはこっちの方が大きなメリットになる

2つのサービスを使いこなせる方にとってはメリットは十分にある。

【JAFのコスパ】

・初年度6,000円(入会金・年会費含む)
┗ マイカー用途だと過去データではロードサービスを10年に1度使うか使わないか ⇒ コスパ悪い

・配達用途の場合
┗ 週2日以上稼働する方はマイカー用途のリスクを上回る ⇒ ただ以前としてコスパは悪い

2年に1回以上呼ぶ方は、非会員よりも入会したほうがコスパが良い。

【任意保険のロードサービス】

・任意保険にロードサービスが付帯している方
┗ パンク修理がサポートされている ⇒ 入会のメリットは無い
┗ パンク修理がサポートされていない ⇒ 入会のメリットはあるが薄い

・任意保険にロードサービスが付帯していない方
┗ 入会のメリットはある ⇒ ただコスパは悪い

任意保険のロードサービスの有無、サポート内容によって個々に判断する必要あり。

ドライブを快適に!(JAF)